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こけしマニア1


写真は秋田県木地山系工人、小椋久太郎の伝統こけしです。

おかっぱの下に気品のある微笑みを浮かべ、こちらをポーと見つめております。

50年前、泥湯への山旅で雨に降られ沼のほとりの一軒家へ飛び込んだところ、そこが久太郎さんの家でした。温かい接待を受け、初めて目にした「こけし」、その素朴な美しさに捕らわれました。それ以来、伝統こけしを蒐集することになりました。

昭和の初めころまで、食器、家具などは木地師が作る木製でした。東北の人達は農閑期の楽しみとして湯治場へ出掛けます。そこで木地師が余った木地を人形として削り女の児の土産として宿で販売したのが「こけし」の始まりと云われております。

10の系列に分類され、何れも東北の湯治場と結びついております。例えば鳴子系、蔵王系、土湯系、肘折系などです。素朴な描彩とフォルムが民芸品として評価され、戦前の作品は入札で売り買いされております。各系列の伝統的な手法で作られる名人の作品には惚れ惚れするものがあります。

いま、診察に訪れる女の児の笑顔を見ると、つい「こけし」を連想してニコニコしてしまいます。

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